恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*




「―――朱莉、どうかした?」


振り向くと、教室から出てきた相沢先輩がいた。

副会長だとか、生徒会委員がぞくぞくと出てくるのを見ると、会議は終わったみたいだった。


何も答えられずにいると、相沢先輩があたしの目の前まで近づく。

相沢先輩越しに、生徒会委員の興味津々の視線が集まってた。


「俺の事待ってたの?」

「あ……、いえ。

ちょっと友達と話してたりしてただけです」

「……そう」


相沢先輩はそう呟きながら、あたしの後ろにいる有田先輩をチラっと見る。

そして、あたしに視線を戻して微笑んだ。


「俺ももう終わりだから一緒に帰ろう。送るよ」

「あ……、いえ」

「どうかした? 何か予定でもある?」

「あ、いえ……」