長い黒髪は肩下30センチくらいまである。
唇にはピンク色のリップ。
大きすぎない切れ長の目を細めて、有田先輩が微笑む。
なんていうか……、本当に美人って感じだった。
白い肌に、黒い髪とピンク色の唇が映えて色っぽい。
少し緊張しながら見ていると、有田先輩が笑う。
「こんなところで何してたの?」
「……」
覗きです、なんて答えられるわけがなくて何も言えずにいると、先輩が続ける。
それは穏やかな口調だったけど……、どこかトゲのあるような言い方だった。
「もしかして相沢くんを待ってるとか?」
「あ……えっと、」
「相沢くんは忙しい人だから来てくれるかどうか分からないけど……、あたしが呼んできてあげようか?」
「……いえ」



