「今日は図書委員の日だからだろ」
「へー、有田、委員会とか入ってたんだ」
「いや、俺が入れた。
図書委員だった子が先月転校してひとり足りない状態だったから、推薦して。
志望大学に提出する書類にも委員会の名前があった方が有利だって話したら、ふたつ返事で引き受けてくれたよ」
「でも、そういう書類ってもうとっくに大学側に提出されてるんじゃねーの?
推薦とかのヤツはもう来週とかに合否決まるし。
つーか有田って頭いーしそれぐらい知ってんだろ」
「俺も最初はそう思ってたけど……、意外とそうでもないみたいなんだ」
「そうでもないって、実は頭悪いって事?」
副会長に、先輩は笑うだけだった。
それを見て、副会長が苦笑いする。
「なんか知らないけど、悪い男だなー、相沢会長」
「別に悪い事はしてない。ただ、場所もわきまえずに付きまとわれるのもいい加減迷惑だしね」
「青山に誤解されると困るって? でも青山ってツンツンしてるし、あんまそーいうの気にしなそうだけど」
「……そうでもないよ」



