恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*



ひそひそ話しながら中の様子をうかがってると、会議が終わったみたいだった。

何を話し合ってたのかは分からないけど、ホワイトボードには“文化祭”の文字。


「あ、そっか。11月末だっけ、文化祭」

「うん」

「そろそろクラスでも色々決めださないとだもんね。

最近生徒会がやけに集まり多いなーと思ってたんだけど、その会議だったんだね」

「やけに集まりが多くて寂しいなーって?」

「……違うけど」


仁美がからかうように言うから、目を逸らしながら答える。


でも確かにそんな事を思ってたんだけど。

最近は一週間のうち、生徒会の集まりが3,4日あるから、なかなか一緒に帰れなくて。

それに先輩は受験生だし、それを思うと土日だってあまり長時間はいられない。


先輩は、まだ一緒にいたいとか、そういう事を言ってくれたりするけど……。

でも、頭のいい先輩はきっといい大学を目指してるに決まってるし。


あたしはそれを邪魔したくない。