「え……っ、つけるの?
相沢先輩、そういうの鋭いからすぐバレない……?」
不安になって聞くと、仁美はにんまりと笑って自信満々に言う。
「そりゃ、朱莉だけだったらすぐバレるだろうけど。
あたしはそういうの得意だもん」
「え、そんなの聞いた事ないんだけど」
「大丈夫。あたし、スパイ映画とかすっごい好きだし。
1回尾行とかしてみたかったんだよねー」
「……」
ウキウキする仁美に不安を覚えたけど……。
でも、あたしひとりでするよりは成功率高そうだし。
それに……。
有田先輩の事、正直気になるし。
女の子らしく、しおらしく聞くとか、そういう事ができないなら、自分で探るしかないんだし。
うん、と自分に言い聞かせて、仁美に頷いた。



