「いつでも招待するから、朱莉の気持ちが固まったら教えて」 先輩の甘い声の余韻が、いつまでも耳に残ってた。 「相沢先輩って、ホント朱莉が好きなんだなーって見てて分かるよね」 先輩が出て行った教室。 余韻の残る耳を押さえるあたしに、仁美が言った。 「えっ、そう……?」 「うん。っていうか、気持ち全然隠してない感じ」 「……うん」 歯切れ悪く頷いくと、仁美が呆れた顔で笑う。 「だから大丈夫だと思うけど? 有田先輩との事。 その様子じゃ、まだ聞けてないんでしょ?」 「……うん」