恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*



……そっか!

思わず助けたくなるような場面にあのキザ男が出くわせばいいんだ。

しかも、自分で断われそうなあたしが弱気にか弱く、とにかく弱々しく困っていれば―――……。


思いついたアイデアに、自然と笑みがこぼれる。


先輩を騙す事にまったく罪悪感がないわけじゃない。

だけど、それ以上に先輩があたしを目の敵にしすぎるんだから、正当防衛だし。


……よし。

今度こそ、見事に勝利してやる。




思い立ったが吉日。

つまり、アイデアが浮かんだら即実行。


眠たい話を投げかける先生が教卓の上で教科書をトントンと2回揃えた時、昼休みを告げるチャイムが鳴った。