「朱莉の気持ちも聞かせてくれる?
さっきの女子生徒相手じゃなくて、俺に」
「え……っ、あのっ、でもあたし熱が38度もあって……、」
「うん。でも俺も朱莉が眠る前にそれだけ確認しておかないと落ち着かないし」
わざとなのか、30センチくらいしか顔を離さずに見つめてくる先輩。
そんな近くからささやかれて告白なんか催促されたら、熱がもっと上がりそうだ。
「それに……、あたしの気持ちなんか、態度で分かってるくせに。
先輩、勘鋭いし……」
「分かってても、朱莉の口から言って欲しいんだよ。
……ほら。朱莉?」
催促するみたいに呼ばれて、顔がカっと熱を持つ。
こんな状態で告白するなんて、どう考えたって無理だ。
いくら両思いだって分かってても、先輩みたいにカッコよく告白なんかできない……っ。
「……また今度とかにします」



