「朱莉、明日はいつも通りおいで」 先輩の声と一緒に、ポンと頭を撫でる手。 ドクンって反応した鼓動が、身体中に響く。 『朱莉、明日はいつも通りおいで』 相沢先輩の声が。 香りが。 頭をなでた手の感触が。 あたしの中に入り込んで、気持ちを溢れさせる。 どんどんどんどん大きくなって……、堕とされてく。 『罠』 仕掛けたのは、あたしなのに……。 『恋』 ―――堕ちたのも、あたしだ。