この3日間。
たった3日間顔を見なかっただけなのに……。
あたしの中にある、ひとつの気持ちが強く自己主張する。
あたしの中の誰かが、先輩の影を探す。
逃げ回りながらも、どこかで会ってしまう事を期待してた。
どこかで……、
捕まる事を望んでいたのかもしれない―――……。
「山岸っ、あたしこっちだから!」
「え、あ、おいっ」
呼び止める山岸を無視して走り出す。
認めたくない考えが一瞬頭をよぎって……、そのせいで、胸がバクバクと速く重いリズムを刻む。
そんな思いと、尋常じゃない動きをする心臓に気付かない振りをして、家までの道を走り続けた。