相手が相沢先輩だから。

それだけの理由でこんなになるなんて……。


まるで、それって……。



それって―――……。





「―――違う!!」

「うわっ、なんだよ、急に」


突然立ち上がったからか、山岸が驚いてあたしを見る。


「あ、ごめん」

「急に立ち上がるなよ。

危うく朱莉の頭が顎に入るところだったし」

「なんだ、残念」


わざと笑うと、山岸が苦笑いする。


「おまえなー、」

「はい、そこまで。次、音楽室だよ。

じゃれてないで朱莉も山岸も準備して」