残された時間はわずかだった。

わかってた。

だから、ぼくの声がどんどんか細くなって聞こえなくなっていったことも、

全然不思議だなんて思わなかった。


ぼくの気持ちがどれくらい伝わったかなんて、

もう気にならなかったんだ。


だって、

かすれる視界の中で。


ぼくは大好きな笑顔を見た。



涙の跡を残しながら、

ぼくの大好きなあの笑顔を、

ぼくの望み通り、最後に見せてくれた。