「どうしてここに、クリスタルリバーがあるの?」


アメリカのフロリダ州にあるって、あんずはそう言ったのに。


「ここに来れるのは、愛されたペットたちなの。

ここでは、ペットを一番愛し、ペットに一番愛された人間が、ペットに一番見せたいと思っているものが見えるんだ。

あんずちゃんは、マリンにクリスタルリバーを一番見せたかったんだよ」


あんずが、ぼくに?

でもさ。

あんずだってまだ見たことないくせに。

クリスタルリバー。


「ねぇ、ミール」

「なぁに」

「きみは、どうしてここにいるの?ミールも、帰りたくない?」


ミールはぶるっと首をゆらした。


「あたしはね、ペットじゃないの。

ここでの案内人。

マリンみたいなペットたちを、天国まで導く役目」

「案内人……」

「そ」


……そっか。

ならぼくはやっぱり、もうあんずのもとへは帰れないんだ。