幹生の帰国を指折り楽しみに待つあたし。 とうとうその日がやって来た。 「お疲れ様でーす」 定時が終わって足早に会社を出ようとしてると 「沙弥ちゃん彼氏ホントに帰ってくるんだ?」 野山さんに引き止められた。 あれから野山さんとは 二人きりでは会ってない だけど田島さんとかがいれば 一緒に食事に行ったりしてる。 いつしかあたしは『倉木さん』ではなくて『沙弥ちゃん』とみんなが呼ぶようにもなった。 「そうです!今から空港へ迎えに行って 高校時代の友人と会うんです」