運命みたいに恋してる。

って訴えを、花梨ちゃんの陰から必死にジェスチャーして伝えたのに、大地はそれを完全に無視する。


ちょ、おいこら無視すんな! こっち見ろってば! 見てくださいー!


「七海はな、もうすでに苦悩の限界を超えてんだよ。それをわかってやれ。親友ならな」


大地の言葉に、花梨ちゃんが再び絶句した。


すぐに言い返そうと口を開いたけど、なにも言葉が出てこなくて、悔しそうに唇を噛んで視線を落としてしまった。


そんな花梨ちゃんに、なおも大地は言い続ける。


「お前は模範解答を見せて、丸写ししろって言ってるだけだ。それが本当に七海を救うのか? 今の七海に必要なのは絶対的な味方だろ?」


花梨ちゃんは顔を上げて、大地をキッと睨みつけた。


でもその表情はすごく複雑そうで、あたしはつらかった。