なんと、颯爽と救い主が現れたの!


どこからともなく駆けつけた少年が、あたしを引っ張り上げて助けてくれたんだ!


『もう泣かないで。僕がついているからね』


あの清々しい声が今も忘れられない。


あたしを見つめる澄んだ瞳と、薄くて形のいい唇がとても優しそうに微笑んでいた。


彼が着ていた真っ白なシャツと、彼が背負った真っ青な空のコントラストの鮮やかさ。


思い出補正を抜きにしても、ちょっと普通じゃお目にかかれないレベルのイケメンだったよ。


彼は、恐怖に震えて泣き続けるあたしを優しく慰めて、涙が止まるまでギュッと抱きしめてくれたんだ。


『あぁ、この人はあたしの運命の王子様だ』って思った瞬間を、今でもはっきり覚えてる。


心に焼きつくって、まさにあの瞬間を言うんだろうね。