たぶん横の方に窓があったはずだと思って、あたしはグルッと壁沿いに建物を回った。


予想通り、目線ギリギリの高さに窓があって、軽く爪先立ちして中の様子を覗き込んで……『それ』を見たあたしの息が止まった。


ふたりが……柿崎さんとお姉ちゃんが……キス、してる……。


ふたりの唇から漏れる呼吸まで聞こえてきそうなほど、激しいキスを。


自分の顔から一気に血の気が引いて、耳の奥がキーンと鳴った。


まともに呼吸もできないのに、心臓が胸骨から飛び出しそうに強い動悸を打っている。