毎日、毎日、失恋が続くんだ。


お姉ちゃんの顔を見るたびに、あたしは思い知らされるから。


彼が選んだのは、あたしじゃないって。


なのに笑顔を張り付けて、話を合わせなきゃならないんだ。


『よかったね、お姉ちゃん』

『がんばってね、お姉ちゃん』

『応援してるよ、お姉ちゃん』


そのたびに、お姉ちゃんが幸せそうに微笑む。


彼を手に入れたお姉ちゃんが。


あたしの……あたしの運命の人を奪ったお姉ちゃんが!


あたしがこんなに苦しむのは、つらくて悲しくてたまらないのは、ぜんぶあんたのせいじゃないか!


「柿崎さんをあたしに返せ! 運命の恋をあたしに返せ! あたしに土下座して謝れー!」