運命みたいに恋してる。

閉店の張り紙を見たときは、とっさに大声が出たけれど、今回はもう衝撃が大きすぎて、逆に黙り込んでしまった。


それでも全員、なにをしゃべればいいのか、なにすればいいのか、まったく判断が追いつかない。


「えっと……」


まず口火を切った花梨ちゃんが、手紙を指差しながら小首を傾げた。


「つまり、ふたりは駆け落ちしたの?」


「ああ。したんだろうな。そう書いてあるから」


妙に落ち着いて見える大地も手紙を眺めながら、淡々と花梨ちゃんに答えた。


あたしはふたりの会話を聞きながら、のろのろと頭を回転させる。


えぇっと。駆け落ちね?


それは、親に結婚を反対された男女が、手を取り合って逃避行するっていうことよね?


じゃあ……え!?


「えぇ!? お姉ちゃんと柿崎さん、一緒に家出しちゃったのお!?」