運命みたいに恋してる。

「え? 花梨ちゃんも来てくれるの?」


「もちろん。七海ちゃんの一大事に、親友のあたしが行かないでどうするの? 大地じゃナイト役にはぜんぜん力不足だしね」


「おい、なんでだよ?」


大地が軽く唇を尖らせて文句を言うと、花梨ちゃんはツンと横を向いた。


「あんたは、その場にいながら阻止できなかったじゃない。そんな頼りない男に七海ちゃんは任せられない」


「それは反省してる。ごめんな、七海」


大地が急に真剣な表情になった。


「今度こそお前をちゃんと守る。たとえ親父や兄貴が七海を責めても、俺が盾になって守ってみせる。絶対にもうお前を泣かせたりしないから、安心しろ」


――ドキン……!


あたしは目を見開いて、彫りの深い大地の顔を見つめ返した。


あたしをまっすぐに見つめる黒い瞳の力強さに、吸い込まれてしまいそう。まるで縫い付けられたみたいに、目を離せない。


心臓はドキドキ全速力で、あっという間に両頬が火照った。


まさか、こんなうれしいことを言ってもらえると思っていなかったから、頭の中が99パーセント、ピンク色に染まる。


でも、残った1パーセントが浮かれた心にブレーキをかけた。


そもそも大地がこんな優しいことを言ってくれるのは、あたしに親切にしてくれるのは、あたしがお姉ちゃんの大事な妹だから。


そうでなきゃ、こんなに優しくしてもらえていないんだ……。