ノドまで出かかったその言葉を飲み込み、あたしは無理に笑顔を作った。


「手伝ってくれてありがとう。おかげで大成功だったよ。あ、フキン干すね」


あたしは花梨ちゃんからフキンを受け取り、鼻歌を歌って上機嫌なふうを装いながら、フキンを干していった。


花梨ちゃんに寄りかかっちゃだめだ。


花梨ちゃんの忠告を無視しておきながら、そんな都合のいいことはできない。ますます嫌われちゃう。


悩んでいることを花梨ちゃんに気づかれないようにしないと。


「よーし。フキン干し、完了しましたー!」


「はい、お疲れ様。ところで七海ちゃん」


「ん?」


「今、かなり追い詰められてるでしょ?」


いきなりズバッと言い当てられて、声も出せずに驚くあたしの顔を、花梨ちゃんは呆れた表情で見ている。


「わざとらしく鼻歌なんか歌って、ごまかそうとしてもムダだよ。あたしにそんなヘタな演技は通用しないからね。なんたって生まれたときからの付き合いなんだよ?」


「花梨ちゃん……」