運命みたいに恋してる。

「告白だとか、見つめ合うとか、そんなの周りの勘違いです。完全な誤解なんです」


勘違い。完全な誤解。


その言葉のひとつひとつが、まるで突き刺さるように胸に響いて痛いのは、なぜなんだろう?


「俺にだって一応、好きな相手くらいはいますけど、断言します。それは桜井じゃない」


―― ズキーン……!


信じられないほど心臓が強く痛んで、息が止まった。


全身から血の気が引いて、氷みたいに体が冷えていく。


悲しい、の? あたし、悲しんでるの?


大地の好きな人があたしじゃないって事実に、あたしは悲しんでるの?


そんなこと、最初からわかりきってることなのに、なんで?


「なのに、こんな噂になってマジで迷惑です」


あたしはヒザの上でギュッと両手を握りしめた。


迷惑って言葉に胸が痛くて、苦しくて、切ない。


どうして苦しいの? どうしてこんなに痛くて、切ないの?


それは……。


それは……。


それはあたしが、大地に恋してるからだ。