運命みたいに恋してる。

なのでとりあえず、大地の背中をバシッと叩いてやった。


「痛て! 急になんだよ?」


「ほらほら、そろそろ片付け開始するよ!」


「お、おう」


あたしたちはイスから立ち上がって、ガタガタとテーブルを運び始めた。


「お姉ちゃん、調理室の片付けをお願い」


「兄貴は店から持ち出した調理器具を運び出してくれ。そのまま帰っていいよ」


「分かった。じゃあ後で店でな」


「おう」


お姉ちゃんたちが教室から出て行くのを見送って、大地とふたりで本格的に教室の片付けを開始した。


大地が重い物を運び、あたしが黒板を綺麗にして、ふたりでゴミをまとめながらおしゃべりが弾む。


「大成功だったよね。これでお店にもお客さん来てくれるかなぁ?」


「来てくれるといいな」


あたしと大地はお互いの顔を見て、明るく微笑んだ。


すごく気分がいい。なんだか、これからいろんなことが、いい方向に進みそうな予感がする。


「大地にメイクしてもらってよかった。すごく元気が出て笑顔になれたから」


「そうか? なら、またメイクしてやるよ」


「ほんと⁉︎ うれしい! 約束だよ⁉︎」


「ああ。約束だ」


あたしが大喜びしているのを見た大地が、あたしに負けないくらいのニコニコ顔でうなづいてくれて、胸がいっぱいになった。


……ああ、幸せだな。