運命みたいに恋してる。

「七海ちゃん、お客さんにすごく評判よかったよ。笑顔が素敵だって」


「え? いえ、そんな……えへへ」


照れくさくてモジモジしながら、内心は上機嫌。


それもこれも大地のメイクのおかげだ。


メイクって、こんなに女の子にパワーを与えてくれるんだなぁ。


「おーい。俺の存在と功績を、みんな忘れてねえか?」


おどけてそんなことを言いだす大地に、みんなが笑い出した。


「大地君、今回の発案者だものね。功労賞は大地君に決定ね」


「いやあ、それほどでも」


お姉ちゃんの言葉にすっかり気をよくした大地は、照れくさそうに笑ってる。


……ふん。だらしない顔しちゃって。


ちょっと褒められると、すぐ調子に乗るんだから!


「それに大地、お前、なかなか女の子に人気があるんだな。お前の周りで女の子たちがすごく騒いでいたじゃないか」


柿崎さんがそう言ってからかうと、大地はしれっと言い返す。


「あれは俺のエプロン姿を面白がっていただけだよ」


たしかにそれもあるけれど、女の子たちの本当の目的は、大地に近づきたかったんだ。


超イケメンで男らしくて頼りがいのある大地は、一年の女子だけでなく上級生の女子からも大人気。


入学してから、もう何人もの女の子たちから告白されているって噂だ。


頬を染めて大地を取り囲む女の子たちに、ニコニコと優しく対応していた大地の姿を思い出したら、なんだかイライラしてきた。