「あ、い、いらっしゃいませ!」


あたしは裏返った声を出しながら、急いで立ち上がった。


お客さん第一号だ。仕事しなきゃ!


大地がメイクボックスを片付け始めて、あたしもとりあえず気持ちを切り替えて、接客モードへチェンジした。


オーダーをとっていると、次から次へとお客さんが押し寄せて来て、お昼にはピークに達した。


柿崎さんも接客の応援に駆けつけてくれたけれど、それでも忙しくてフル稼働。


調理場ではお姉ちゃんが孤軍奮闘して、目を回しながら働いていた。


半ベソかいているその様子を見るに見かねて、あたしと絶交中の花梨ちゃんが援軍に来てくれたほどだ。