あたしはスカートの生地を指先でイジりながら、ボソボソと謝罪の言葉を口にした。


「あの、大地。……ごめん」


「んー。まあ、さすがに驚いたっつーか、ちょっと心配したけどな。何事もなかったんだから、いいんじゃね?」


大地がポンポンとあたしの肩を軽く叩いた。


その手の重さとか、強さとか、大きさとか、それらの全部に慰められているようで、あたしはまた泣きたくなった。


ごめんね、大地。


そんで……。


「ありが、とう」


ポン、ポン、ポンと、大地の手が答えるように、あたしの肩を優しく叩いた。


「おい。よくないだろ、ぜんぜん。七海はちゃんと反省しろ」


渋い顔をしている優太郎にそんなことを言われて、カチンときてしまった。


「なによ、そもそもあんたの勘違いじゃん」


「目上の者に向かって、あんたとはなんだ」


「あんたで充分! 性根の腐ったイジメッ子のくせに!」


机に頬杖をついて苦笑いしている優太郎に、あたしは食ってかかった。


気恥ずかしいのと、情けないのでいたたまれなくて、優太郎を攻撃することで気を紛らわすしか方法がない。


でも、いいよね? こいつがイジメッ子だったのは周知の事実だし。


ここはひとつ、きっちり謝罪してもらおうじゃないの!


警官なんだから、そこらへんは市民の模範になってよね!