久しぶりの再会に驚いてポカンとしていたお姉ちゃんが、ハッと我に返る。


「本当にごめんなさい。七海がご迷惑をかけてしまって」


「もう暗かったからな。あんな格好で厚化粧した子どもが駅前に立っていたら、やっかいなことになりかねないから」


「ごめんなさい。本当にごめんなさい」


涙声で繰り返し謝っているお姉ちゃんの声を聞いたら、あたしも無性に泣きたくなってきた。


お姉ちゃんを出し抜こうとして先走って、こんな騒動起こしちゃって。


しかも出し抜こうとしたお姉ちゃん本人に、責任とらせて謝らせて。


……情けない。ホントにあたしって、どうしていつもこうなんだろ。


「ぜんぶ僕の責任なんです」


柿崎さんの声が聞こえて、あたしは視線を下げたままピクンと震えた。


「七海ちゃんは悪くないんです。本当に申し訳ありませんでした!」


柿崎さんが、あたしのせいで警察に謝ってる。


……もう我慢の限界。涙が出ちゃうよぉ……。


鼻がツーンと痛み始めたとき、白髪頭のおまわりさんが、あたしに向かって優しく話しかけてきた。


「七海ちゃん、だったね?」


「……はい」


「お姉さんたちと話があるから、少しの間、ここで待っててくれるかい?」


あたしは涙ぐみながら、コクリとうなづいた。