『もう、マリアったら、あなたは本当に隠れるのが上手いわね』





お母様は、私が見つかって安心したのかホッと胸を撫で下ろしていた。





『ふふ、マリアは、走るのだって、木登りだって、大得意よ?その辺の男の子には負ける気がしないんだから!』





そう言って、私は、お母様に向かってペロリと舌を出してみせた。






私の名前は、マリア・フリース。



年は、今年で15歳。



名門貴族フリース家の末っ子として生まれた。