森の奥の沼の話【短編】

僕は逃げようと思ったんだ

だってさ

こんな所に

秋も終わりだっていうのに薄着でさ

足だって裸足だよ?

絶対、おかしいって

母さんだって言ってたじゃないか

無理はしないって





「母さん…」

僕はさっきの夢のような出来事を思い出して、思わず声に出してしまった







『君は誰?』







すごく

ものすごく

遠目に見ても

解るくらい

沼よりも

悲しい色した目の

女の人が言った