「お名前は?」 「はい? え? 篤志、です」 綺樹はにっこりと笑った。 「アツシ。 何、飲んでいるの? 私にもくれる?」 涼はくすりと笑ってキッチンに戻った。 綺樹なりに場に気を遣ったらしい。 手段が男を口説く感じなのが、やや気に入らないが。 しかしやがて本格的に腹が立ってくる。