「ああ、くそっ」 片手で半分顔を覆った。 ぱたぱたとシーツに水滴が落ちる音がした。 泣くな。 駄目だ、まだ泣く時じゃない。 まだこの仕事をやり終えていない。 涼を引き摺り込んだ海から救わなければ。 大きく一つ深呼吸した。 どんな仕事でも手を付けたらやり遂げる。 今まで、そうしてきた。 だから、今回も、だ。