チョコレートミントの、タブレット。 小さな青いバッグから取り出したそれを、口に含む。 路側帯の段差に。 疲れたから休むだけ、と言わんばかりに、ちょこんと腰掛けた。 金髪の、その男との距離、わずか10m。 声を掛けるでも、掛けられるでもない。 ただ、誰もいないその道では、不自然に近いその位置で。 吹き始めた涼しい風にポニーテールをそよがせ、男と同じようにただ、ぼんやりと。 綺麗で、静かな金色の髪を、眺めていた。