「でも雅、大丈夫なの?」
肩をぶつけるように身を寄せて、加奈子が声を落とす。
「…なにが?」
「だって……二人も相手にしたんじゃ…体持たなくない!?」
…朝からひどく不穏な事を言われた気がする。
雅は気が遠くなるような気分で、加奈子を見つめた。
「ゃ…あの……別にそんな…」
赤くなっていいのか青くなっていいのか、脳が判断する前に、目が泳いだ。
「ちょっと雅のイメージ変わったわあ~」
語尾にハートが付いていそうな言い方をした加奈子は、雅の困惑などまるで無視し、ぎゅ、と肩を組んだ。
「ちょっと羨ましいっ」
すでに魂が抜けたかのように、遠くを見つめる雅に、今登校してきたのか、田鹿が大きく手を振った。

