「……っ…な…に…」



至近距離のガイの肩を押しのけて、自分の唇を押さえた。

予想していなかった展開に、雅の思考は再び固まる。


頭の中が痺れて、全ての事が繋がらない。



「何、ってキスだろ」

「キ…キス…」


取り乱した雅は、落としたタオルに気が付かなかった。


ため息も兼ねたような深呼吸を慌ててひとつ、ついて。


キ、ス……?、と繰り返した。



キス、した?

あたしに?

どうして?

だって。




こんなに、綺麗な人なのに?