あの現場に有紗の姿はなかった。


先生に呼び出されたとき、五十嵐さん達と私は別々に事情を聞かされたが、そのとき有紗は自分から先生のもとに向かったらしい。



その様子からしても、やはり五十嵐さん達とは何か違う。



嫌がらせには加わっていない可能性は大きい。


でも、まだ明確さはない。




私は三日の、五十嵐さん達は七日の停学処分だった。

そもそもこの問題は停学だけで解決するものではないが、それでも何かしらの処分は必要だということらしい。





「無責任なこと言えねーけど、多分、悪いふうには思えないよな。何か理由がある気がする」


「そうだといいな。あ~声ガラガラ」


「ふふ。どんだけ叫んだんだよ」