お姫様の作り方

* * *


『見つかったの?良かったじゃない。』

「うん!ほんと良かったー!」


見つかった嬉しさのあまり咄嗟に電話をして、でも塾だったことを思い出してすぐに切ったのだけど、紫音は塾後に折り返して電話をくれた。


『自力で見つけたの?』

「ううん!拾ってくれてた人がいて、その人が返してくれた。」

『へぇー…モノ好きな奴もいるのね、案外。』

「びっくりしたけど嬉しかったよ。…半分くらい諦めてた時だったから…。」

『で、誰が拾ってくれたの?』

「えっと…優馬くん。」

『優馬?もしかして灰吹優馬?』

「えー違うよー!」

『フルネームは?』

「え、あ…そう言えば聞かなかったな。」

『じゃあ本人かもしれないでしょ!』

「ないって!だってあたし、灰吹くんに会ったことないって話したよ?
本人ならそこで自分だけどって言うのが普通じゃない?黙ってる理由ないし。」

『顔はイケメンだったの?』

「…う、えっと、多分。」

『なによその曖昧な感じ。』


紫音の声が尖った。…だ、だって、そんなこと言われたってイケメンなんてみんな思うところが違うと思うし…。


『じゃあ言い方を変える。舞にとってはイケメンだった?』


…こう訊かれたら、答えは…


「ものすごくイケメンでした。」


顔は…思い出してドキドキしちゃうくらいにはかっこよかった。
性格はまだよく分からないから何とも言えないけど。