「梨沙」 「んー?」 耳を押さえているせいか、少しくぐもった唯斗の声が聞こえてきた。 返事と同時に、顔だけ唯斗の方へ向ける。 「やる」 「え? う、わっ」 スポッと丸い輪のようなものを頭から被せられて、一瞬前が見えなくなる。 顔をその輪から出すと、顔の半分がそれに埋もれていて温かかった。 …マフラー?