これは恋ではありません。



「…あ、起きた」

「っ、」


私の視線に気がついた男が、そう呟く。

バチリと合った目を、思わず逸らした。


「結構、可愛い顔してんじゃん?」


――ドキン

何、それ。

軽い言葉なのに、何故か嘘に聞こえないのは、

たぶんこの男の才能なんだろうと、何となく感じた。