家元の寵愛≪壱≫



買い物を終えた私達は、再びどこかへと向かった。



暫くして、辿り着いた先は―――――。


「ゆの」

「あの、えっと………ここは?」

「ん、とりあえず、降りようか」

「…………はい」



目の前に広がる景色は、

お伽話に出て来るような雰囲気の建物。



白い外壁の周りに緑が覆い、

所々に花々が咲き乱れ、

アンティークの彫刻が飾られていたり、

キラキラと輝きを放つ噴水に

どこからともなく流れて来る心地良い音楽。



思わず、足が止まってしまった。


すると、



「ゆの」


優しい声音と共にそっと差し出された彼の手。

今掴まないでいつ掴むの?


私は無我夢中で彼の手を掴んだ。

――――もう、決して離さない。

彼が振り払おうとしたって、

絶対、離しはしないんだから!!



私は彼の手を手繰り寄せ、自ら腕を絡めた。


「ん?………どうした?」

「こっちの方が良いです」


私は恥じらいよりも安心を選んだ。

彼の傍を離れたくないから。


「フッ、そんな事言ってると……」

「ッ?!////////」