ゆのの車を後ろから追走する形で

俺は自宅方面へと車を走らせた。





2時間程して自宅周辺でゆのとは別れ、

俺はとある場所へと向かった。


そして、そこに

車に積んでおいた荷物を下ろし、

再び車に乗り込んで、愛妻が待つ自宅へと向かった。




門前に停車すると、


「早かったんですね」

「待ってたのか?」

「はい。他にする事が無かったので」

「寒くないか?」

「はい、大丈夫です。もう、春ですから」


俺の到着をずっと待っていたようだ。

ゆのは桜のような愛らしい笑顔を向け、助手席に乗り込んだ。


「お腹は?……空いてるか?」

「いえ、大丈夫です」

「体調は?」

「え?………大丈夫ですけど……それが何か?」

「あ、いや、何でも無い。今日は夜までちょっと忙しくなるけど、いいか?」

「?………はい、大丈夫です」


俺の質問に首を傾げながらも、笑顔で返答した。


先日とはまるで別人の彼女。

俺の言動1つでこうも変わってしまう事に少なからず罪悪感を感じた。


―――――必ず、彼女を幸せにしなければ。