家元の寵愛≪壱≫



………ん?

今の音は………シャッター音?


瞬時に嫌な予感が脳裏をかすめ、

俺は恐る恐る音のした方へ視線を向けた。



――――すると、


「基樹さん!!」

「バッチリ、撮れたか?!」

「ハイ、バッチリです♪」


………何事だ?!

一体、何が、どうなってんだ?!



先程まで、お義父さんの隣りに座っていた筈のさゆりさんは、

右手には一眼レフのデジカメを持ち、

左手で『やったわ!』と言わんばかりのピースサインを。


それに応えるようにお義父さんは

目を輝かせながら、左手でOKサインを作っていた。


そんな2人の様子を唖然としながら見つめる俺。


お義父さんが物凄く嬉しそうにデジカメの液晶画面を覗くと、


「私、これでミッションクリアよね?!」

「フフッ、あぁそうだな」

「………へ?」


さゆりさんの発した言葉で脳内が瞬時にフル稼働し始めた。


それって………もしかして………?

いや、絶対そうだ!!

―――――間違いないッ!!

もしかしなくても…………?!!