何度も角度を変え、啄むように軽く甘噛みし、
チュッと艶めいた音を響かせながら唇を離すと、
「んッ……んんっ」
「ッ?!」
咳払いに似た声が耳に届き、視線を巡らすと
数メートル離れた所にゆのの父親が立っていた。
「おっ、おはようございます」
狼狽しながらも挨拶を口にすると、
「近所迷惑になるから……とりあえず、入りなさい」
「…………はい」
――――ッ!!
今のは完全に見られたよな?!
あまりに久しぶりだったから、
ここが家の前だって事をすっかり忘れていた。
羞恥のあまり手で顔を覆うと、
「んッ?!」
ゆのが俺の袖を掴んだ。
「ん?………どうした?」
何かを訴えるような表情のゆの。
その瞳は俺をじっと見つめていた。
俺は彼女に応えるように優しく微笑むと、



