家元の寵愛≪壱≫



隼斗さんの長い腕に捕らわれて、

熱い視線が注がれる中、

恋愛経験値が幼児レベルの私では

彼をどうこうするなんて出来るワケも無く。


「ゆの」


隼斗さんの吐息が耳元にかかる。

優しく、甘く蕩けるような声が。

ジンと痺れるように心も身体も焦がしてゆく。


ゆっくりと顔を持ち上げれば、

熱を帯びていた彼の瞳が

いつの間にか、妖艶な眼差しに変わり

艶気を帯びた吐息が漏れて来る。


まるでイオンスチーマーを浴びてるみたいに。


ゆっくりと瞼を閉じて

彼の吐息に酔い始めていた。


「ゆの」


何度聞いても心地良い彼の声。

彼の胸から伝わる鼓動。


催眠術のように、

いつの間にか吸い込まれるように。

何とも言えない感覚に陥る。



私は全身全霊で彼の愛を求め始めていた。



すると、