「隼斗さん」
「ん?」
「大丈夫ですよ」
「ん?」
「頼りないかもしれませんが、私がお傍にいますから」
「……フッ」
「1人で心細くても、2人なら……きっと大丈夫です」
私は彼を安心させるように、
優しい声音で囁き掛ける。
すると、
「……だな」
隼斗さんは私の肩におでこを乗せて、
「ありがとな……ゆの」
ぎゅ~~~っと抱きしめられる腕に、彼の深い愛を感じた。
ふと、緩められた腕の隙間から彼を見上げると、
「フッ、俺のお礼は倍返しだから」
「ふぇッん!!////」
熱を帯びた彼の瞳に捕らわれて
聞き返す間もなく、熱く唇を塞がれた。
口角をキュッと上げた彼の表情は
いつも、意地悪する時の顔で、
私は一瞬で身の危険を感じた。
だって、明日は『初釜』なのに
きっと、このままだと………。
歩くことすら儘ならない??



