隣の棟の屋上 あたしはただ一心不乱にそこを目指していた。 きっとそこに居る気がするから 「………つ…ついた」 きっと…居る。 居て欲しい。 「………落ち着け心臓」 ひんやりと冷たいドアノブに手をかけゆっくりとドアを押した。 「………っ…」 ただ暗い闇夜がドアの向こうに広がっていて、ドアから入り込んで足の下を通る風に頭が冷えていく。