短く返事をして杉山はパタパタと空いている手を振った。 「口は悪いけど良い奴だよね」 「まぁ……。橘に次いでモテてるらしいしね。やっぱそういうとこがモテるのかな?」 「んー…。けどあたしは橘がいいなぁ」 杏はどーしても橘が良いみたいであたしは呆れた声を上げた。 「……あーぁ。由貴(よしたか)くんかわいそ」 「やぁーだっ。本命はゆきに決まってんじゃんっ」 ばんっと背中を叩かれて噎せてしまった。