「……もうちょっと待って」 肩を押す手が震える。 知らない。知るはずもない。 ちらちらと橘の後ろから見える男の姿に頭がグラグラして……怖い。 「…わかった。怖がらせてごめん」 ガラガラとドアが閉まっていく音をまた聞いていた。 1人ぽつんと残された部屋で、高1の時の事を思い出した。