「そうだねぇ。この本は少し難しいけど為になる本だったよ」 朗らかに先生は笑う それでも 「最近あの生徒がこなくなって…来るのは渡辺ちゃんだけだよ ………寂しいねぇ」 悲しそうな残念そうな顔で本たちを見つめた 「……橘…ですか?」 「えぇ、彼は文集とかも好きだったねぇ」 しみじみとしながらも先生は笑う 読んで貰うのが本の使命だからね 読んで貰えて嬉しいだろうと