「15歳。中学三年」 15歳……、僕より二つ年上。 それなのに、もう結婚とか言っているのか? 僕なんか、初恋さえもまだだっていうのに……。 「ね?姉さんって呼ぶ気になったでしょう?」 イタズラっぽく笑う彼女と、うーんと考え込む僕の間に、優しい風がふわりと通り過ぎる。 どこか人懐っこい彼女に、僕は顔を背けたまま言った。 「しかたないなぁ。姉さんって呼んでやるよ」 「さすが永ちゃんの従兄弟!素直だわ」 風になびく髪の毛を手で押さえながら、彼女はにこりと笑った。