昼過ぎから降り出した雨は、夜になると雪へと姿を変えた。

僕の頭と肩に、はらはらと優しく舞い落ちる綿雪。

振り払う気力さえもなかった……。



『死んだって……。なんだよ、それ。意味わかんねぇし』

『……今朝…。自分の部屋で首を吊っているのが見つかったって……』



茅島はいろいろと何かを話していたけれど、僕にはそれが雑音にしか聞こえなかった。



『竹島くんが電話しろって言ったから……』

『花札、準備しておかないとね』



次の日曜、一緒に花札をすると約束したんだ。

あいつは約束を破るような人間じゃない。

だってそうだろ?

冬休み、「暇だったら電話しろ」と言った僕の言葉を覚えていて、ちゃんと電話してくれたじゃないか……――。